国内に484島ある国境離島のうち、消失した恐れがある北海道の節婦南小島(せっぷみなみこじま)について、海上保安庁が20日、測量専用の航空機を用いた調査を開始したことが分かった。測量専用機による無人国境離島の調査実施は初めてで、島の存在や海底地形の確認を進めたもようだ。国境離島は領海や排他的経済水域(EEZ)などの管轄海域を決める根拠で、政府は土地利用規制法の保護対象に位置付けるなど安全保障面で重要視している。
国が保全・管理する484の国境離島をめぐり、島外縁部の測量から半世紀以上経過している島が少なくとも20島あることが20日、政府への取材で分かった。海洋安全保障をめぐって中国など周辺国の動きが活発化する中、管轄海域を決める根拠となる国境離島の現状が十分に把握できていない可能性が浮上した。定期的な測量の実施と状況変化に応じた適切な維持管理は不可欠となる。
新型コロナウイルスの感染者が急増している東京都でワクチンの供給不足が続き、接種対象者の5割に満たない自治体が出ている。一方で国や都の大規模接種と、企業や大学の職域接種が進み、居住自治体で接種しない人も増え、見た目ほど不足感がない可能性が高い。都は大規模接種分のワクチンを自治体への追加配分に回すなど需給ギャップの解消に乗り出し、接種の促進を支える意向だ。
二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量削減が急務となる中、従来の石油由来の航空燃料の代替として、環境負荷の小さい「バイオジェット燃料」の商用化を目指す動きが相次いでいる。日揮ホールディングス(HD)とコスモ石油などは使用済み食用油(廃食用油)を原料とする国産バイオジェット燃料の商業生産を令和7年までに実現させたい考え。脱炭素の潮流を追い風に将来の市場拡大が見込まれるが、普及にはコスト低減が課題となる。
6月に行われた株主総会で、インターネットによる電子投票で議決権を行使した株主の割合が、前年から倍増したことが大手信託銀行の調べで分かった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う来場抑制策として注目され、企業の導入が加速。コロナ禍をきっかけに総会にも変化が出ている。
新型コロナウイルスの感染拡大と人出を抑えるため、菅義偉首相が18日、経団連にテレワーク強化への協力を求めた。もっとも、テレワークの実施率は、1回目の緊急事態宣言が発令中だった昨年5月の3割超から、今年7月には約2割まで下がったとの調査もある。業種や規模によっては実施しづらい上、「テレワーク疲れ」もあり、これ以上のテレワークの拡大や継続は困難との見方が出ている。
【カイロ=佐藤貴生、シンガポール=森浩】アフガニスタンでイスラム原理主義勢力タリバンが権力を掌握したことで、同国が再びイスラム過激派の温床になるとの警戒感が広がっている。特にタリバンと関係が深い国際テロ組織アルカーイダの伸長が懸念される。今後、欧米諸国による各組織の情報収集が困難さを増すのは必至とみられ、水面下で過激派が伸長する事態もあり得る。
新型コロナウイルスの感染拡大による社会不安の増大で、アルコール依存への懸念が高まっている。急性アルコール中毒の搬送件数は大幅に減少しているものの、外出自粛などの影響で、アルコール依存を抱える人が経験などを共有する「断酒会」の開催も制約され、症状が悪化するケースも出ている。かつて東日本大震災の被災地では発生から数年後にアルコール問題の相談が増加したこともあり、今回のコロナ禍による社会不安の影響も、数年後の時差を経て生じる恐れもあるという。
「生きている化石」といわれ、数が減少しているカブトガニの幼生を放流する催しが、愛媛県西条市東予地区の河原津海岸で行われ、市内の家族連れら約100人が参加した。2億年前からほとんど姿を変えることなく生きているカブトガニ。主に瀬戸内海から九州北部の沿岸に生息する節足動物で、クモやサソリに近いという。2億年前から生息するたくましい生命力だが、幼生が成育する干潟は欠かせない。瀬戸内海にはかつて漁業の邪魔者とされるほどたくさんいたが、海岸の埋め立てが進んだことを主な理由に激減しているという。