東京電力福島第1原発の汚染水を浄化した処理水の海洋放出について、東電が検討している沖合約1キロの海中排水の工程案が28日、判明した。海底に配管を通して放出する方法が有力で、9月に海底の調査を開始し、来年2月から配管の敷設工事を予定。完成までに1年半程度かかる見通しで、政府が放出のめどとした2年後に向けて作業を進める。ただ、地元の漁業関係者らの反発も予想され、計画通りに進むかどうかは不透明な面もある。
総務省は28日、携帯電話端末を自社回線でしか通信できなくする「SIMロック」について10月1日から原則禁止する方針を明らかにした。携帯会社を乗り換えしやすくして価格競争を促すのが狙い。既に禁止方針は決め「早期に実現」すると説明してきたが、この日公表したガイドライン案に時期を明記した。
政府は28日、新型コロナウイルス対策本部の会合を官邸で開き、東京、大阪など9都道府県での緊急事態宣言の期限延長を決定した。これまでの5月31日から6月20日までに延ばし、沖縄県の期限とそろえた。宣言に準じた措置がとれる「蔓延(まんえん)防止等重点措置」も、適用中の8県中5県で5月31日の期限を6月20日まで延長すると決めた。
政府が東京都などに発出している緊急事態宣言の延長を決めたことについて、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は28日の定例会見で「新型コロナウイルスの感染状況が改善することを期待している。1日も早い社会の回復を願い、今夏の安全で安心な大会開催実現へ準備に尽力する」と述べた。
児童生徒へのわいせつ行為などで懲戒免職となった教員に対する免許再取得の制限強化を柱とした新法が28日に成立した。今後は文部科学省で本格化する再交付の可否を判断する際の基準づくりが焦点となる。新法の趣旨に照らせば、子供に「心の傷」を負わせた教員を学校現場に戻すことは許されず、実効性のある制度が求められる。
新型コロナウイルスのワクチン接種会場として、350大学の497キャンパスが活用可能であることが28日、文部科学省の調査で分かった。7月末までに高齢者接種を完了させるとした政府目標を後押しするため、6月中旬の始動を目指す。高齢者接種が進んだ段階で、学生や教職員らを接種対象に加える仕組みづくりも検討。若い世代の変異株感染が危惧される中、実現すれば、学生生活に立ち込めている不安の解消につながりそうだ。
政府は28日、需要や供給に応じて料金を変動させる「ダイナミックプライシング」の鉄道運賃への導入を検討することを決めた。同制度の導入はタクシー業界も要望しており、タクシーについては国土交通省が年内に実証実験に乗り出す方針だ。実現すれば混雑緩和などの効果が期待される一方、ピーク時に利用せざるを得ない乗客には負担増となる。通勤定期券などの交通費負担が増える可能性がある企業の理解を得られるかも焦点だ。
【ソウル=時吉達也】韓国のソウル中央地裁で28日、徴用工として動員されたと主張する韓国人や遺族85人が日本企業16社に賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が行われ、結審した。判決は6月10日に言い渡される。地裁では今週、ほかに同種の訴訟3件でも弁論が行われ、年内に複数の判決が出る見通し。
旅行大手のJTBが28日発表した令和3年3月期連結決算は、最終損益が1051億円の赤字(前期は16億円の黒字)に転落した。最終赤字は2期ぶりで、過去最大となった。新型コロナウイルス禍による旅行需要の消失が響いた。売上高は前期比71・1%減の3721億円だった。
宇宙を満たす素粒子ニュートリノを捉えて宇宙の成り立ちの解明を目指す次世代観測装置「ハイパーカミオカンデ」の建設が本格的に始まった。着工記念式典が28日、飛騨市神岡町の建設地とオンラインで開催された。