米国の利益にとってアジアほど重要な地域はなく、米国が手を引くことによって失われるものがアジアほど大きい地域もない。第2次世界大戦で日本を破って以来、米国はアジアの安全保障のみならず、貿易と比較的開かれた市場を土台にした目覚ましい繁栄も支えてきた。それゆえ、この地域における米国の地位は高くなって然るべきだ。ところが、ドナルド・トランプ前大統領の4年間がその地位に打撃を与えた。
1月28日に日米首脳の電話会談が行われた。米国の新大統領が就任して日米首脳の電話会談が開催された後、1週間以内に米韓首脳の電話会談が実施されるのが通例だ。その電話会談を前に、中国と韓国の首脳が外交安保に関して調整したと見られている。
本稿では、14世紀前半に始まった黒死病第二波の経験から、我々に参考となるのではないかと思うものを取り上げてみたい。筆者は感染症学者ではなく、中世欧州を対象とする歴史学者でもないので、あくまで当時の記録やそれを基にした資料などを読んだ経験からのものである。
尖閣諸島を巡って中国と対立している日本にとって、ジョー・バイデン政権の対中外交・安全保障政策は最大の関心事である。また、日本の平和と安全に直結する台湾・北朝鮮政策も同様に大きな関心事である。この点について解説する。