19年3月に発覚した旅行代理店大手・HISの澤田秀雄代表が巻き込まれたリクルート株を舞台にした投資詐欺事件。その一環で40億円が溶かされていたことが発覚した。事件発覚から約7ヵ月が経過、澤田氏の窓口となった金取引業「アジアコインオークション」の石川雄太代表が原告となり、8名2法人を被告(公判過程で2名を取り下げ)とした民事訴訟は、答弁書や準備書面の提出により、内容が明るみに出つつある。被害者サイドは、澤田、石川両氏とも沈黙を貫くが、被告のなかには「誤解されたまま報道されているのは我慢できない」として、私の取材に応じた人もいる。そうした公判で明かされた資料と証言、被告の生の声などを取り混ぜながら、「溶かされた40億円の行方」に迫ってみたい。