管理会計の特性を十分に理解しないまま現場のマネジメントを行い、部下や組織全体に意図せざる悪影響を引き起こしているケースが多い――。そう指摘するのは、企業財務やマネジメントコントロールを専門とする、一橋大学大学院経営管理研究科教授の青木康晴氏だ。ROIC経営をはじめとして、さまざまな業績指標を駆使した経営手法が話題を呼ぶ今、それらを本質的に活用して組織を強化するために、どのような視点が必要なのだろうか。前編に続き、2024年6月に著書『組織行動の会計学 マネジメントコントロールの理論と実践』(日経BP 日本経済新聞出版)を出版した同氏に、JALやオムロンが導入する、管理会計を主軸とした「マネジメントコントロール」を実践するポイントについて聞いた。(後編/全2回)