祖業である調味料を中心とした食品事業の他、アミノ酸生産技術を活用したケミカル事業、医薬事業など幅広く事業を展開する味の素。今や日本を代表するグローバル企業の1社だが、一時は業績が大幅に落ち込み、株式時価総額1兆円割れにまで追い込まれた。その立て直しに副社長として大きく貢献したのが、福士博司氏だ。
伝統企業に特有の同質性と硬直性が根付く組織風土で、どのように経営改革に取り組んだのか。2024年4月に著書『会社を変えるということ』(ダイヤモンド社)を出版した同氏に、日本の伝統企業に共通する問題点や、変革の障害となる組織風土の変え方について聞いた。(前編/全2回)