巨額赤字にあえぐ日産自動車が、収益構造改革を目指す2020~23年度の中期経営計画「ニッサン ネクスト」の実践を本格化し始めた。三菱自動車、仏ルノーとの3社連合の「分業体制」を下支えに、前会長のカルロス・ゴーン被告時代の負の遺産だった余剰生産能力を2割削減しコストを圧縮。一方、15日に発表する最新型電気自動車(EV)「アリア」など独自技術を盛り込んだ新型車を日米中3大市場に連続投入する「選択と集中」で、再建を図る戦略だ。だが新型コロナウイルス禍という最悪のタイミングで自動車需要が伸び悩む中、計画断行は険しい道のりとなる。