日本と米国の自動車貿易摩擦が激化した1980年代。大学卒業後渡米して米フロリダ州で就職、知事室、商務省に勤務していたサム田渕氏は、日本およびアジアからフロリダへの外国直接投資促進に携わる一方、米国籍を取得して米代表通商部(USTR)の特別補佐官として通商産業省(当時)、自動車メーカーとの交渉で活躍した。 米国の政治、経済のコアを知る田渕氏が、「日本人にこれだけは伝えたい」という思いで執筆した『日本はなぜ世界から取り残されたのか』(PHP新書)には、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、そして日本の33人のエリート層から見た日本の長所、短所の指摘とともに、母国の内向き志向=「ジャパニズム」への強い危機感が示されている。(前編/全2回)