サラブレッド産業の代表者たちは12月4日、キーンランドでの記者会見において、ケンタッキー州のライアン・クォールズ（Ryan Quarles）農務長官とともに中国への馬輸出再開を称賛した。
11月6日に北京でセレモニーが行われ、テリー・ブランスタッド（Terry Branstad）駐中国アメリカ合衆国大使と支树平（Zhi Shuping）中国国家質量監督検験検疫総局長が協定に署名した。この協定は、競馬産業が急速に拡大しつつある中国に対して、米国がサラブレッドなどの馬を輸出する道を開く。
クォールズ農務大臣はこう語った。「バーボンやフライドチキンなどの特産品そして馬産業によって、ケンタッキー州は世界でその名を知られており、拡大しつつあるグローバル経済に参加しています。中国人購買者は毎年馬のために2,000万～3,000万ドル（約23億～34億5,000万円）を支出していると見込まれています。中国の競馬産業は成長しています。私たちはこの市場のかなりの部分を獲得できると考えています」。
「この協定による経済的効果の見込みは現時点では不明ですが、ケンタッキー州のサラブレッドは高く評価されているので、中国人購買者はまずこの州を訪れるだろうと思います。すぐに数百万ドルの効果があるかもしれません」。
キーンランド協会の会長兼CEOであるビル・トマソン（Bill Thomason）氏は、この協定はケンタッキー州のセリにおける中国人購買者の存在感を高めるだろうと述べ、こう語った。
「私たちはまず、障壁を取り除かなければなりません。中国人購買者がここへ来て質の高い馬を目にすれば、それらの馬を購買して国に連れて帰るでしょう。それは常に、より多額の投資と発展につながります。世界中の国が、ケンタッキー州産馬を見て、その質を評価していると思います」。
チャイナホースクラブ（China Horse Club）は過去数年間、サラブレッドのセリにおいて活発に購買を行ってきた。今年のキーンランド9月1歳セールでは、単独あるいは共同で15頭を485万ドル（約5億5,775万円）で購買した。また、キーンランド11月繁殖セールでは6頭を19万4,000ドル（約2,231万円）で購買し、ファシグ・ティプトン社11月セールでは1頭を67万5,000ドル（約7,763万円）で購買した。トマソン氏は購買された1歳馬のうち数頭は中国へ向けて出発しようとしていると述べた。
ケンタッキー州サラブレッド協会（Kentucky Thoroughbred Association）とケンタッキー州サラブレッド馬主・生産者協会（Kentucky Thoroughbred Owners and Breeders）の専務理事を務めるチョーンシー・モリス（Chauncey Morris）氏は、中国本土の競馬は北米競馬と似ており、そのことは中国人購買者をケンタッキーで馬を調達しようという気にさせると述べた。
モリス氏はこう語った。「中国とのサラブレッドの最大の取引相手は、現在では豪州・ニュージーランド・アイルランドです。これらの国が最大のサラブレッド輸出者である理由は、彼らが特恵貿易を行っているか、その衛生プロトコルが認められているからです。購買者は複雑な手順が多すぎると、他のアクセスしやすいところに行き馬を手に入れることになります」。
「中国本土には今では8つ以上の競馬場があります。それらの競馬場では、持ち回りで競馬が施行されています。すべてがダート競走です。中国人はケンタッキー州産馬についてよく知っており、そのスピードを欲しがっています。香港とマカオで行われている競馬と中国本土で行われている競馬には違いがあります。ケンタッキー州産馬は他のどの国の馬にも負けないと感じています。中国本土の競馬は北米競馬ととても似ていて、中国人購買者はケンタッキー州産馬が中国の競馬場により適していることを分かっています」。
モリス氏はまた、キーンランド協会やケンタッキーダービー（G1）のような世界中に認知されている組織や競走のブランドは、ケンタッキー州のマーケットリーダーとしての立場を確実にするのに役立つと述べた。
同氏はこう付言した。「中国人は信じられないほど国際感覚があり経験豊富な人々です。彼らはキーンランド協会、サラブレッド、ケンタッキーダービーのようなブランドの重要性を理解しています。ブランドは彼らにとってとても重要であり、彼らの威厳（名声と尊敬の文化）についての考え方に通じます。彼らは最高級の馬を欲しがっており、それにより彼らは威厳を手に入れることができます」。
By Erin Shea
（1ドル＝約115円）
［bloodhorse.com 2017年12月4日「Industry Leaders Praise China Equine Export Agreement」］
